明日からセブンスター600円。たばこの値段はどう変わってきた? – cuyulas | 喫煙情報メディア

Fun                

もはや風物詩といった感もありますが、今年も明日、10月1日にたばこが値上げされます。今回の値上げでは、「セブンスター600円」などという見出しが躍っていたとおり、ついに一般的なたばこが1箱600円台に突入します。

JTだけでなく、マールボロなどを販売するフィリップ・モリス、ラッキー・ストライクなどを販売するブリティッシュ・アメリカン・タバコも相次いで価格改定を発表し、概ね各社20円から40円程度の値上げを行うようです。

加熱式たばこの銘柄も同様の値上げ幅ですが、キャメル・シガーなどの紙巻たばこに似た葉巻たばこ(リトルシガー)に至っては、例えば現在400円のキャメル・シガーは500円まで大幅な値上げ。

財務省によれば、「1本当たり1グラム未満の軽量な葉巻たばこ[筆者註=リトルシガー]について、紙巻たばことの類似性を踏まえ、紙巻たばこと同等の税負担となるよう、最低税率を設定します」とのことで、類似性を踏まえるなよという気分にもなってしまいます。喫煙者としては悲しいニュースですが、昨今の社会事情を考えれば仕方がないのかもしれません。

前置きが長くなりましたが、今回の記事のテーマは「たばこの値段はどのように変化してきたのか」、そして「たばこ税はどのくらいの割合で、何に使われているのか」です。

2010年、セブンスターは300円だった

早速ですが、こちらのグラフをご覧ください。

データ:総務省小売物価統計調査、日本たばこ産業プレスリリース

これは、ピース(10本入)・ハイライト・ゴールデンバット(2019年終売)・セブンスターという、代表的で歴史のある4銘柄の価格推移と、消費者物価指数という指標をグラフにしたものです。全部表示するとごちゃごちゃするので、セブンスターだけ価格を付してあります。また、グレーの破線が2つありますが、これは変化の傾向を表していて、上側のものは消費者物価指数を、下側のものはセブンスターの価格推移をそれぞれ示しています。

消費者物価指数とは、「消費者が購入する財(モノ)・サービスを対象とした価格」を集計した指数で、物価変動を見るときのひとつの参考材料になります。たとえば左端、1950年の消費者物価指数(オレンジ)は大体12くらいでしょうか。このグラフでは2015年を100としているので、1950年の物価は2015年の物価の8分の1くらいだったことがわかります。つまり、当時の1万円は現在の8万円くらい、と(ざっくりですが)考えることができます。

このグラフで面白いのは、1990年ごろから約30年間、物価はほとんど上昇していないのに、たばこの値段だけが猛烈に上がっている、ということがわかる点です。1990年当時、セブンスターは220円でした。それが今年には600円。途中、大きな値上げポイントが2回あります。1回目の2010年には、セブンスターが300円から440円に、そして2回目、2018年以降は毎年値上げしています。

こうしてグラフにすると、直近の10年程度でいかにたばこが値上げされてきたか、というのが目に見えてわかります。

ここ10年くらいの値上げの理由として挙げられるのが、おおむね「たばこ税増税」と「消費増税」です。消費税のほうは、皆さんもよくご存知で毎日納めていることと思います。また消費税率を知らない方もいないでしょう。基本的には10%、食品など一部が8%です。ではたばこ税の税率はどれくらいなのでしょうか?

たばこの税率は約60%で年間2兆円

たばこの税率は、製品の価格によって異なりますが、メビウス(現在540円)の場合、61.8%です(消費税含む)。つまり皆さんが1箱540円のメビウスを買うときに納めている税金は333.97円で、毎日1箱買うとしたら年間で約12万2,000円を納めることになります。パワーがありますね。たばこやめようかな。

たばこのほかに高額の税金がかかっているものとして、お酒やガソリンなどが思い浮かぶかもしれませんが、たとえばビール1缶350mLの税負担率は48.5%、ウイスキー700mLの税負担率は28.6%、ガソリン1Lの税負担率は48.4%なので、それらと比べても税負担が高いことがわかります。

ところで先ほどから「たばこ税」とひとくくりにしていますが、たばこ税は細かく分けると4種類あります。まず大きく分けると国に納められる「国税」と、都道府県や市区町村に納められる「地方税」。国税のなかには「たばこ税」と「たばこ特別税」、地方税のなかには「道府県たばこ税」と「市町村たばこ税」があります。

なお、国税としての「たばこ税」と、たばこにかかる税金一般としての「たばこ税」が紛らわしいので、この記事では国税のほうを「国たばこ税」と呼びます。また、「道府県たばこ税」「市町村たばこ税」という名称には、東京都や東京都の特別区が含まれていませんが、東京都や特別区でも同じ税率で同様に納められています。

皆さんがメビウスを買うときに333.97円の税金を支払っていることが判明したわけですが、内訳はというと、国たばこ税(23.3%)が126.04円、たばこ特別税(3.0%)が16.4円、道府県たばこ税(3.7%)が20円、市町村たばこ税(22.7%)が122.44円、それから消費税(9.1%)が49.09円となっています。

それが積もり積もって、消費税抜きの純粋なたばこ税が1年間にいくら国と自治体に納められているかというと、合計で約2兆円程度です。税率は上がっていますが、喫煙率や販売数量も減少しているので、20年ほど税収は大きく変わっていません。

たばこ税の使い道は国鉄負債の返済?

2兆円というと額が大きすぎてイメージがつきませんが、昨年末の時点で、国と都が支払う東京オリンピック・パラリンピックの開催経費は1兆6440億円だったので、私たちが1年間たばこを吸い続けて納めた税金でオリンピックの1つくらいできるということがわかりますが、当然たばこ税は全額オリンピックに使われているわけではありません。

基本的に、たばこ税は目的税(使い道が定められている税)ではないので、たばこ税の使い道は、国や都道府県や市区町村がそれぞれに決めることができます。

たとえば国の場合、税金の使い道として年金や医療費など社会保障関係費が約30%、国債の返済が約20%、地方自治体に分配する地方交付税交付金などが約15%で、合計で約65%を占めるので、実際のところはわかりませんが、国たばこ税も順当に使われていれば6割くらいがそれらに利用されているのではないか、と推測できます。使い道がわかっているところだと、2019年の消費増税・軽減税率導入時に、軽減税率導入による減収分の財源としてたばこ税の増税分が2,000億円程度割り当てられています。

また例外があり、「たばこ特別税」は1998年に、JRの前身である国鉄と、国有林野事業特別会計の負債を返済する財源として創設されました。そのため、たばこ特別税については使い道がわかっています。たばこ特別税は、いわば国鉄の借金を返すものということで、導入が検討された際は批判も大きく、新聞記事でも「国鉄とたばこがどう関係するのだろうか。」(毎日新聞京都版 1997年12月23日 17面)と書かれています。本当にそうですね。

そのわりに駅構内はどこも禁煙になり、東北新幹線などは車内に喫煙ルームもないので、東海道新幹線を見習ってつくってくれてもいいのにという気持ちになります。

これからどうなる、たばこの値段

というわけで、10月1日から値上げです。泣いても笑ってもセブンスターが600円の時代が来てしまいます。ついこの間「セブンスターが500円!」と騒いでいたというのに。

ところで、ちょうど昨日(9月29日)自民党の総裁に選出され、第100代の総理大臣となる見込みである岸田文雄氏は、自民党たばこ議員連盟の副会長を務めていますから、彼が政権を担う限りはもしかすると、たばこ税の直近の値上げは避けられるかもしれません。なお公正のために記すと、野党第1党・立憲民主党の党首である枝野幸男氏も愛煙家として知られ、超党派のたばこ議連「もくもく会」に所属しているとされています。

喫煙者としては度重なる増税はいやなものでしかありませんが、「20本中12本が税金か……」などと思いながら吸うのもまた一興かもしれませんね。

※冒頭写真:2021年9月30日、東京都内のコンビニエンスストアにて筆者撮影

参考

Shunichi Shiomi

cuyulas 編集部/吸っている銘柄:ハイライト

Visited 14 times, 1 visit(s) today

コメント

タイトルとURLをコピーしました